THE BOATS

INTERVIEW: THE BOATS: PASTEL RECORDS (2012)

元Hood、The Remote ViewerのCraig TattersallとAndrew Hargreavesによるthe boats。2005年にリリースされた、彼らのセカンド『We Made It For You』ですっかり虜になって以来ちっとも裏切ることなく今日まで彼らの漕ぐサウンドに揺られています。前回の初来日はいつだったかな~?ともかくめでたく2回目の来日です。素直にうれしい。そんな彼らのインタビューをお送りいたします。意外と日本のメディアでは目にすることのできないthe boatsのインタビューをどうぞ!(インタビュー協力 : flau)

2004年にmoteerよりデビューされてもう8年くらい経ちますが、お二人の出会いについて教えてください。

Craig Tattersall(以下C): うーんと、僕が最初にAndrewに会ったのは、僕が遊びで作品制作を手伝ったことのある学生が、あるアートワークを燃やすっていうのをAndrewが撮影していた時だった。その時Andrewは、僕が着ていたMogwaiのTシャツを見たようで、そこからつきまとわれはじめちゃって…それでthe boatsが始まった、ってことかな。

Andrew Hargreaves(以下A): そうだね。もう少し、この失敗したアート作品について話したいんだけど、いい?ここではウィッカーマンみたいな感じのを燃やすアートを試していたんだけど、足元くらいの高さしかないし、作品をセットする前に全部吹き飛んでしまったんだ。ほんとに切ない感じだったんだけど。クレイグは僕が話しかけた時に訝しそうな顔をしていたよ。僕らには共通の友達がいて、お互いに作っている音楽を交換したりリミックスしたり、すぐに僕たちはアルバムを一緒に作り始めたんだ。

ちなみにthe boatsってどちらが命名したんですか?

C : 一緒に決めたよ。面白いことにそれはRemote Viewerの曲名から取ったんだ。(city center officeからの7inchに収録)

the boatsの作品が日本で紹介され始めた時、The Remote Viewerの別名義のバンドという記述を見たことがあったのですが、the boatsを始めた時にはどういうヴィジョンを持っていましたか?

c: Andrew Johnson(famous boyfriend/remote viewer/moteer)という天才以外の人と共同作業をすること自体、僕にとって初めててのことなんだ。 それは本当に僕にとって始めてのことで、アプローチの仕方も違うし…新しい誰かと何かを作ることは共通基盤を探したり、見たり聴いたりすることの新しく面白い視点を見つける時間になって、何もかもが刺激的な体験なんだよ。

作品ごとに少しづつクラシカルだったりミニマルテクノな要素を上手く取り込んでいます。ですが変わらず懐かしさや温もりも感じます。音楽制作において重要視していることはどんなことですか?

C : 僕は二人が納得のいく一つのことがボートを漕ぐ方向を決めたり変化を続けたり拡大し続けるものだと思ってる。僕らは古いものが大好きで、その中に感じる歴史も好きだね。

A : 補足すると、聴いたり読んだり見ているものから影響を受けた、たくさんの小さなことがいっぱいあるんだ。絶えず新しいインスピレーションがあって、 boatsはあらゆる刺激や情報とつながったり感じたりすることに寛容なんだと思う。

特に2009年の「Words Are Something Else」でのミニマルテクノなビート作品には驚いたファンも多かったと思いますが、同じ年に、あなたたちとツアーを共にしたこともある、Pendle Coven「Self Assessment」がリリースされていてとても興味深かったです

C : そうだったね。

A : Pendle Covenとはツアーしてないよ!彼と一緒にスプリット・ツアーEP(Typewriter)をリリースしたから勘違いしているのかもしれないね。それはBoatsがライブをする時にPendle CovenのMilesがCraigの代わりに演奏した事実を記念したものなんだ。この時のライブの間にMilesはかれのミニマルテクノスタイルをBoatsに持ち込んで、それを僕らが使ってあのアルバムができたんだ。

新作「Ballads Of The Research Department」について。これは12kからのリリースなんですね。 これまで12kとは近いようでいて、あまり接点がなかったような感じだったのですが、リリースの経緯について教えてください。

C : 僕らは12Kからリリースのオファーを受けたんだ。僕らはいつも次の作品の曲を作っていて、ちょうどその時作っていた作品を12Kも気に入ってくれたから、彼らはリリースしたんだ。

A : taylorは12kレーベルを「エレクトロニック」というタグから離したかったんだと思う。 これに僕らはフィットしたんだと思う。 いつもエレクトロニックとアコースティックの中間のグレーのエリアで音楽を作っているからね。

アルバムは伝統的なバラッドを、現代の物語として提示するという、コンセプチュアルな作品だそうですが、詳しいことの説明、このようなテーマを取り扱うきっかけを説明してもらえますか?

A : バラッドというのは、一般的な公のコミュニケーションの形式で、最高に速く、情報過多の現代では多少斬新に感じる概念なんだよね。僕たちはもはやどんな深さでもそれを要約したり思いめぐらす時間がないぐらいに多くの情報にアクセスしていて、表面的な知識は昔よりも多くなってるかもしれない。でも僕らが実際に知っているものや気に留めていなければいけないものって何だろう?もし何かを文脈の中に落とし込むことが出来ないとき、僕らの関心はすぐに失われてしまうんだ。僕らはこのアルバムを聴く時間をあなたが作ること、アルバムを聴くという儀式を取り戻してほしいと思ったんだ。だから長い4つの楽曲になったんだよ。

the boatsの作品には魅力的なヴォーカリストが参加しています。Need More Sourcesとして活躍するChris Stewart、Elaine Reynolds。そして今作では、日本人女性アーティストCuusheを起用していますが、彼女の魅力をどう感じていますか?

a: 僕らが前に日本をツアーしていた時って、まだアルバムの曲を書いていたんだよね。それでイギリスに帰って作ったんだけど、このツアーが実質新しいアルバムにすごく影響したってわけ。そこで何かとても日本的なものを加えたいなって思っていたんだ。そしたら、幸運なことにヨーロッパツアー中だったCuusheがその後僕らの家に泊まることになって、歌をお願いしたんだ。僕らは彼女のアルバム『Red Rocket Telepathy』の大ファンだったからね。

また近年あなたたちの作品に欠かせないDanny Norburyが今回も印象的なチェロを聴かせてくれてます。彼はもうthe boatsのメンバーと言ってもいいのでは?

C : そうだよ!

A : ダニーとの出会いについても話すと、、僕たちはダニーのいくつかの音楽を聴いた後に、共通の友達を通して彼と会ったんだ。僕らはダニーが一緒にライブに出演してくれたら楽しそうだな、と思って誘ってみたんだよ。ダニーは喜んでくれて、今も一緒に続いているんだ。

ジャケットについてrussell burdenの写真を見て、12kらしいジャケットだなと思ったのですが、よく見るとthe boatsのシンボルマークが入っていているのはあなたたちのリクエストだったのですか?

C : アートワークはいつも問題になるんだよね。僕たちはどうしたら僕らが好きなものを作れるかとっても強い意見を持っているんだけど、もちろん他のレーベルの人達と作業する時には、彼らも同じように強い美意識を持っているから、どちらの意見も取り入れて双方がハッピーになる落としどころを探さないといけないんだ。12kはいつも一連の写真を使っているから、僕らは素晴らしい写真家であるラッセルの写真を使いたいとお願いしたんだ。僕らは彼に音楽を聴かせて、ラッセルが写真を送ってくれて、そこから選んだ。

A : ロゴはいつも僕らがジャケットに使ってるものなんだよ。本当はロゴとして使う予定はなくって、ただ1stのカバーに載せるデザインの一つだったんだけど、これが今はロゴとして役にたっている。僕たちはこのロゴをどのジャケットにも使ってしまおうとひらめいたんだ。

今回あなたたちのレーベル"our small ideas"からリリースされていた音源がflauよりリリースされます。そもそもour small ideasはどうして始められたのですか?

C : 僕たちは全てのboatsの活動のホームが欲しくてそれを作ったんだ。正式なアルバムのリリースとは離れてね、自分たちだけで面倒みれるようなものをね。

これはアンドリューさんに質問ですが、前回の日本ツアーについてどんな思い出がありますか?

A : 日本は本当にびっくりするぐらい素晴らしい体験だったんだ。ハッピーな思い出がいっぱいあるよ。僕たちはたくさんのエネルギーと熱意を持った最高の人々と会って、初めてのジャパン・ツアーを過ごすことができた。本当に笑顔が絶えなかったよ。だから一つだけの思い出を取り出すのは難しいね…。ただ早く日本に行くのが待ち遠しいよ!

ちなみにクレイグさんは今回も日本にお越し頂けないとのことなんですが、日本のファンに来れない理由についてご説明頂けますか?

C : それは日本だから、てわけじゃないんだ。ただ飛行機が怖いんだよね。数年前に怖い飛行機事故に遭って、それから全然飛行機には載っていないんだ。今も乗っていきたい気持ちはあるんだけど、まだ行けそうにないんだ。
The Boats